ベビーとママの健康相談室vol.4


【医療法人徳洲会 宇治徳洲会病院 産婦人科部長 青木昭和 先生】

妊娠前にからだをチェック

妊娠中に病気が見つかっても、赤ちゃんへの影響を考えると、薬が飲めない、十分な検査や治療ができないという場合があります。なかには病気が母子感染してしまうケースも。そういう事態をまねかないために、妊娠前に健康診断を受けることをおすすめします。
 とくに婦人科系の病気は妊娠・出産に大きく関わります。妊娠する前にぜひ乳がん検診や子宮・卵巣の検診を受けましょう。重い生理痛や異常出血といった症状には子宮腺筋症、子宮内膜症などの病気が潜んでいることもあります。
 自覚症状がなくても、からだの総点検は母子ともに安全な妊娠・出産への備えとして大切です。

風しんなどの予防について

 母子感染の代表的なものに風しんがあります。風しんは数年ごとに流行するので、妊娠前に予防接種を受けておくとよいでしょう。配偶者も一緒に受けるようにおすすめしています。抗体検査をすれば、予防接種が必要かどうかを調べることができます。

子宮頸部がん検診のススメ

 妊娠を待ち望む時期に限らず、積極的に受けてほしいのが「子宮頸部がん検診」です。日本の受診率は約3割。先進国の中では大変低いのが現状です。
 「子宮頸部がん検診」をおすすめする理由として強調したいのは、極めて正確に診断できることです。細胞の一部を採取して調べるからです。がんの早期発見につながり、この検診が始まった一九六〇年代当時に比べると、子宮頸がんによる死亡率は劇的に低下しました。受診率が上がれば、子宮がんで亡くなる人はさらに減ることが期待されます。この検診には、市町村の公的補助制度もあるので大いに活用して、少なくとも二年に一度は受診してほしいと思います。
 また、子宮頸部がんの患者の90%以上から、HPV(ヒト・パピローマ・ウイルス)が発見され、このウイルスが子宮頸部がんの原因であることが明らかになってきました。子宮がん検診で異常と診断されたときには、HPVの検査をすることによって、子宮がんや、その前段階の「中等度異形上皮」をより高い精度で見つけることができるようになっています。
 このように「子宮頸部がん」については原因ウイルスの解明も進み検診の精度が極めて高いにも関わらず、受診率が低いのは残念なことです。「受診するのが当たり前」になるように、検診の重要性を御理解頂きたいと思っています。

HPVワクチンの接種について

  前述のように子宮頸部がんのほとんどがHPV由来といわれますが、HPVによる感染はワクチンで予防できることがわかってきています。
 HPVはどこにでもいるウイルスで、性行為による感染率が高いといわれているため、13~16歳までのワクチン接種が予防に有効とされています。日本では、二〇一三年にその副作用が問題になりワクチン接種をする人が激減してしまいましたが、他の国ではワクチン接種の有益性が広く認知されています。よって正しい情報を伝えて、若い女性へのワクチン接種を推奨していくべきだと思われます。子どもが自分で判断できないことも多いので親子で一緒に考えて頂くとありがたいです。ワクチンは「親から娘さんへのプレゼント」です。

(WIRE MAMA 京都版 2017.5・6月号掲載当時の内容です。)


【情報提供】医療法人 徳洲会 宇治徳洲会病院
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